捕れた魚から軽石/シイラからは大量に
漁への影響懸念/伊良部漁協
昨年12月中旬ごろから佐良浜漁港に水揚げされた多くの魚の胃袋から軽石が見つかるようになり、漁業関係者を驚かせている。特に大型のシイラからは大量に出てきているほか、マグロやカツオなどからも出てくるようになったという。昨年、軽石が漂着した沖縄本島のいけすで養殖魚が大量に死んだ際にも、死んだ魚の胃袋から大量の軽石が出てきたこともあり、今後の漁への影響を懸念する声も強まっている。
こうした状況について、伊良部漁協の伊良波宏紀組合長は「シイラの胃から出てきた軽石を見た時は衝撃だった。まさかこんなに大量に入っているとは思わなかった」と話した。
同漁協が昨年12月17日に撮影したシイラの胃から内容物を取り出した写真には、食べた小魚のほかに、大きめの軽石を含めて複数の軽石が出てきたところが写されている。
伊良波組合長は「シイラだけでなく、マグロやカツオなどの胃からも小さめの軽石がけっこう出てきている。この状況は今も続いているので心配している」と話した。
伊良部漁協地区海業支援施設の1階にある直売店にも話を聞くと「確かにマグロやカツオをさばくと、どんどん軽石が見つかるようになっている。これが今後どう影響するか心配」との声も聞かれた。
魚が軽石を食べたことによる影響について、伊良波組合長は「シイラなどは何でも食べるので飲み込んだ大きめの軽石はほとんど排せつできないと思う。こうしてどんどん胃に軽石がたまっていくと、食べる量も減ってやせ細るほか、病気にかかって死んでいくことになりかねない」と話した。
この軽石は、小笠原諸島の海底火山噴火の影響によるもので、宮古島周辺には昨年11月ごろから漂着し始めて問題となり、現在もその影響は続いている。