「第7波」へ備え必要/新型コロナ
流入抑制、ワクチン接種重要/木村宮古保健所長インタビュー
新型コロナウイルスの感染状況で、宮古保健所の木村太一所長は4日、宮古毎日新聞社の取材に対して、ステルスオミミクロン株(BA・2)などの第7波が来ると予想していると説明し、「宮古は今、(感染者数が)下げ止まりの状況。第7波が大きな波になるかどうかは従来の感染予防対策をベースに、(島外からの)流入抑制とワクチン接種でいかに押さえるかが重要」との見解を示した。
木村所長は「第6波でこれまでの半分が感染したことになる。再感染(2回かかった人)は2%、残り98%は初感染。同じ人が何度も感染しているわけではなく、常に新しい人が感染した」と説明した。
「(島内には)感染していない人たちが90%以上いるのでリスクはそれなりにあると考えられる。さらに現状は30代がまた増えている。職業も幅広く見られているので(感染状況が)振り出しに戻らないかが懸念される。少ないながらも観光客の感染も見られるようになってきた」と話した。
第6波の特徴については「始まりは20~30代からスタート。第5波と違ったのは高齢者に多く感染者が出たこと。要因としてワクチンの効果が薄れ始めたときに拡大したことだと思う。また、第5波では高齢者施設でクラスターもなかったが、第6波は5施設でクラスターとなった」と話し、「ワクチンの効果で重症化は無かったが、多いときは高齢者の割合が40%近くあった。入院時は一人一人の介護度が高いことから、病床率はそれほどでもないが、医療負荷が大きかった」と説明した。
第7波に備えては「重要なのは、仕事で宮古島に来る人には雇用主がワクチン接種の推奨やPCR検査で陰性かどうかを求めること。雇用主が採用時にしっかりと推奨し、島内に入る際には検査を受けさせることで、持ち込みを押さえることができると思う。観光客にはお願いしかできない。昨年の春は接待を伴う飲食業や観光関連からの感染者が見られた」と強調した。
また、注意点は「マスクの着用、ワクチン接種、ソーシャルディスタンス、換気、体調不良時は仕事などを休む、PCR検査を受けるなど基本的な対策は変わらない」と述べた。
一方、5歳から11歳までのワクチン接種が始まるに当たり、「接種勧奨の状況で、努力義務ではない」としながら「小児科学会では重度の疾患があり通院している場合など、持病がある子どもは接種した方が良いと言っている。どうするかはかかりつけの医師と相談しながら考えてほしい」と話した。