太モズク「来間株」に期待/市議ら漁協視察
今期から本格的養殖/収量、従来の1.5~2倍
収量が大きく増える来間島近海由来の太モズクが期待を集めている。太モズクは従来の1・5~2倍の収量があり、いわゆる「来間株」と称され、今期収穫分から本格的に養殖され、成果を上げている。宮古島漁協の栗山弘嗣組合長は「現在は宮古全体で2000㌧の収量だが、近いうちに3000㌧を超えるだろう」と話した。9日は市議らが漁協のモズク1次加工施設を視察しながら、生産者から要望を聴取した。市職員からは来間株についての説明を受けた。
来間株の存在は以前から知られていたという。市海業センターが2年前、来間島近海で株を採取、培養して種子を増やした。現在では生産者に提供するようになっている。今期は当初、従来の太モズクと来間株を半々で生産する予定だったが従来株の種付けが順調にいかず、3割近くを来間株に置き換えた。海業センターは種子の培養で多忙を極め、提供を受ける生産者は「順番待ち」の状況だったという。今期は全体の約8割が来間株になっている。
来間株は従来の株より太く、長さも60㌢程度まで成長する。枝数が従来株より少ないため、収穫後、ごみなどの異物を取り除く作業が容易になった。
視察した市議らは収量が増えた場合、現在の漁協施設で対応できるのか、民間企業と提携してはどうかなどの質問を投げ掛けた。栗山組合長は「現在は1日20㌧を引き受けるのが精一杯。民間との連携は今後の課題」などと答えていた。生産者からは港の施設整備や繁忙期の人材確保などの要望があった。