市長、与党「再議」検討/キビ支援事業
審議やり直しの可能性も
開会中の市議会(上地廣敏議長)3月定例会で、当局が「サトウキビ収穫管理支援事業」を盛り込んで提案した2021年度補正予算案について、野党らが同事業に反対し、その分の予算を削除した修正案が10日の本会議で可決されたことを受け、座喜味一幸市長と与党市議は「再議に付す」ことを検討していることが分かった。同事業の成立に強い意欲を示している座喜味市長の今後の判断が注目される。
10日の本会議では、同修正案について挙手による採決を行った結果、与党10人は反対するも野党、中立系の12人が賛成して可決となった。
再議とは、議会と市長との間に対立が生じた場合に市長側から調整する手段だ。
市長が議会に対して、議会の議決などに異議がある場合、議会に対して審議と議決のやり直しを求めるもの。
再議には「一般的拒否権」と「特別的拒否権」があり、今回は議会の議決に異議がある場合に市長が発動できる「一般的拒否権」が該当する。
実際に再議に付すかどうかはまだまだ流動的だが、同事業に反対した野党の一部には、キビ農家の支持者から不満の声を受けている市議もおり、再議となれば与党側はそうした市議への理解を求める動きを強めそうだ。
新年度の一般会計予算案でも、同じキビ支援事業費として1億7227万円が計上されていて、本来であれば8日の予算決算委員会で同予算案は採決される予定だったが、野党側からの求めもあって、その判断は見送られている。
そうした背景には、野党の一部に補正予算は否決しても当初予算は賛成に回りたいとの思いを持っている市議がいることもあり、この問題の攻防戦はまだまだ収束しそうにない。
17日からは一般質問もスタートする。当局と与野党を交えて激しい舌戦が行われそうだ。