学校休校、卒業式中止/多良間村
濃厚接触者300人超の可能性
【多良間】村内で新型コロナウイルス感染症が拡大している。県は21日までに計20人の感染が確認されたと発表。多くが児童、生徒で、濃厚接触者は幼、小、中学生とその保護者や学校関係者ら約300人超になる可能性がある。村教育委員会は小中学校の休校を決定。卒業式は中止となる。多良間診療所では感染者に対応するため、一般診療を休止する。村では3回目のワクチン接種が進んでおり、全村民の約7割りが接種完了となっているが、どこまで広がるのか見通せない状況となっている。
村の人口は1124人(2022年2月末現在)となっており、約700人が3回目のワクチン接種を完了している。今回、感染が広がっているのはワクチン接種の対象年齢となっていない児童たちで、21日には検査を受けるため、村診療所には多くの村民が訪れていた。22日には宮古保健所からも応援が入り、ドライブスルー方式でPCR検査が行われるという。
児童生徒の感染確認を受け、村教委は24日までの臨時休業(休校)を決定し保護者へ伝えた。その中で、不要不急の外出自粛や濃厚接触者に該当しなくても発熱などの症状が出た際には学校に連絡するよう呼び掛けた。休校に伴い22、23日に予定されていた幼稚園の修了式や小学校の卒業式は中止となり、そのまま春休みに入る。卒業証書などの受け渡しは後日連絡するとしている。
このほか、保育所でも休園措置が検討されている。多良間診療所は新型コロナウイルス感染症のクラスター対応のため、きょう22日から25日まで一般診療を休止する。救急対応は通常通り行う。村は20日、新型コロナ相談窓口を開設し対応に当たっている。
保護者の一人は「感染がどこまで広がるのか分からない。濃厚接触者となったら1週間程度は仕事ができない」とため息をついた。
村内での感染状況の広がりについて伊良皆光夫村長は「現在、村内では検査を進めている状況。保健所や診療所と連携し対応したい。3回目のワクチン接種は進んでいるため、重症化リスクはある程度軽減され、村内で待機の状態でもなんとか対応できそうだ。村民へは外出自粛、来島する人たちにも感染防止対策の徹底はもちろん。できるだけ外出自粛を呼び掛けている」と話した。
児童生徒の感染が多く保護者の中には村の職員や民間企業で働く人たちが職場に出勤できない状況となれば、社会生活が厳しくなることが懸念されることについては「村の職員が複数、濃厚接触者になったことも想定して対応策を話し合ってきたので、すぐに対応が厳しくなることはない。いずれにしてもしっかりと対応していく」と強調した。