「現状はまん延と言える」/新型コロナ 子どもの感染が多数
個人の対策呼び掛け/保健所の木村所長
新型コロナウイルスの市内の感染状況について、宮古保健所の木村太一所長は21日、宮古毎日新聞社の取材に対して、ステルスオミクロン株などの第7波が始まったと説明し、「累計では5000人を超えた。罹患(りかん)率は9%。10人に1人が感染したと考えている。現在、療養している人は約500人。1月の第6波の時は最大が900人余なのでどんどん近づいている。現状はまん延していると言える」との見解を示した。(8面に関連)
現在の状況として1週間で400人を超える患者が発生。人口10万人当たりでは800人を超えた。最近までは県平均(人口10万人当たり600人)より低かったが今では県内でも急増している地域となっている。
木村所長は「年齢層は10歳未満が約25%。10代は約16%で前週より5ポイント減少している。トータルで見ると20歳以下で40%以上となっている。60歳以上の高齢者は約7%。こちらは前週の10%から減少してきている。職業はあらゆる職業から感染者がでている。最近は建設業、観光サービス業の人たちが目立ち始めてきている。昨年4~5月の第4波もそういう特徴があった」と説明した。
また、「3月末から第7波が始まったとしたら3カ月(90日)程度はずっと高い数字が続くとは思わないが、流行が続くと見ている。人数は第6波から推定すると2400人くらいになるのではないかと思っているので今の感染者数は半分くらいだと想定している」と話した。
第7波の特徴については「子供の感染が多く、高齢者の感染が第6波の半分」と話し、「学校の授業などで感染している様子はなく、部活動や部活終了後に子供たちの交流、課外活動、小学校のクラブ活動などで感染が広がっている。それが家庭内に持ち込まれ、両親が感染する構図。子供の集まる場所が今一番注意すべき場所になっている」と強調した。
今後の見通しについては「病床使用率、ウイルス自体の病原性については見通しは明るいと思う。しかし、患者数の増加は続くと思う。理由として4月から大きく緩和された社会行動規制がある。緩和されるとどうしても増えていく」との見解を示した。
一方、「良い因子はワクチン接種率の向上で、効果があるのは分かっているので期待できる。ただ、接種率は県内では高いが全国平均で見ると4~5ポイントほど低いので3回目の接種をできるだけ早くすることが大切。また、不確定要素としては個人の感染防止対策。個人がしっかりと対策すれば減少すると思う」と呼び掛けた。