日本代表で研究発表へ/宮総実環境班
水サミットへの参加決定/地下水保全、食糧自給を世界発信
サトウキビ栽培の合間を利用した日本ソバの栽培を通して、島の明るい未来を描く研究を展開している宮古総合実業高校の環境班(児玉凜部長)がきょう熊本県で開催される「第4回アジア・太平洋水サミット」に日本を代表して参加することがこのほど決定した。岸田文雄首相も出席する同サミットには、同班の代表と顧問の前里和洋教諭が参加。オンラインで参加する天皇陛下や各国首脳らに同班がこれまでの取り組みや研究成果などを発表する。
同班では、1997年から地下水保全についての研究に取り組んでいる。
その研究内容は、地中の硝酸性窒素を日本ソバが吸収するとの実験結果を基に、サトウキビ収穫後、次の植え付けまでの間に日本ソバを栽培することを通して使われた化学農薬がどれだけ土壌や地下水に影響を与えているのかを調べ、その影響をどうすれば減らすことができるのかについて研究してきた。
同班では、これまでの研究内容を今回のサミットで発表することを目指して、関連イベントである「ユース水フォーラム・九州」に研究動画を応募した。
全国から寄せられた多くの応募校の中から、優秀動画の一つに選ばれ、その知らせが今月1日に届けられたという。
日本代表に選ばれたことについて、前里教諭は「審査員からは、地下水という島の限られた資源を守るために、基幹作物であるサトウキビ栽培に影響を与えずに、栽培の合間を利用して日本ソバを栽培し、食料の自給をも図っていることが素晴らしいと高く評価された」と喜んだ。
児玉部長は「応募した動画については準備期間が短くて、英語の発音も他の学校に比べて劣っていると感じていたので、日本代表に選ばれたと聞いた時は本当にビックリした」と話した。
サミット本番に向けては「日本代表として胸を張って発表できるように、発音についても英語の先生の指導を受けて一生懸命特訓してきた。緊張しているが研究内容がしっかり伝わるような発表をしたい」と意欲を示した。
前里教諭によると、23日のサミット初日はオンラインで参加する天皇陛下にも環境班の研究内容が動画で紹介されるほか、午後からは会場の熊本城ホールで児玉部長と下地りぃ副部長が実際に英語で発表を予定している。
さらに、その発表内容を踏まえた各国の首脳らとの質疑応答などのやり取りも行われるとしている。