手取り額7割減の可能性/伊良部21-22年キビ
交付金対象期限は今月末/長雨影響、関係者危機感
長雨によって機械刈りが進まないため、伊良部地区の2021―22年産サトウキビ(原料)の搬入が終了していない。国の交付金対象期限の今月31日までに搬入できない場合、農家手取り額が約7割減になるため、関係者は危機感を募らせている。刈り取られていないキビは約6000㌧。ハーベスターの稼働台数を増やすなど対応しているが、残り2週間を切り、厳しい状況となっている。
宮古製糖伊良部工場によると、1㌧当たりの農家手取り額は2万4200円。このうち国の交付金は1万6860円と大部分を占めており、カットされれば農家にとって死活問題となる。
同工場は昨年12月1日に操業を開始し、当初は4月半ばの終了を見込んでいた。長雨など天候不良でハーベスターが止まり、何度も操業休止に追い込まれた。
現在は他地区からハーベスターを運び、伊良部地区で稼働させているほか、工場職員らが手刈りを行うなど対応している。18日は天候が回復。小型のハーベスターが稼働していたが、19日以降は雨の予報が続いている。
ハーベスターの作業員は「5月に入って動かせたのは4日だけ。雨が降っては何もできない。月末まで全部刈り取るのは厳しいと思う」と表情をゆがめた。
農林水産省の担当課は「状況は聞いている。手刈りも含めて体制を整えて、一日でも早く収穫を終えるよう伝えてある。生産者に迷惑が掛からないようにしてほしい」と話した。
交付金の期限について地元関係者は「手刈り全盛期の時代に決めた時期であり、天候に左右される機械刈り中心の現在には合ってない。国には時期の見直しを検討してほしい」と強調した。
一方、宮古製糖多良間工場は、残り1100㌧で搬入を終了する。天候にもよるが順調にいけば25日に搬入を終える予定という。