国が救済案提示/収穫遅れキビの交付金期限問題
事前契約で受取対象に
伊良部地区の2021-22年産サトウキビ(原料)の刈り取りが遅れ、国の交付金の期限が迫っている問題で、農林水産省が救済案を関係団体に提示したことが20日までに分かった。刈り取り前に見込み量で「事前契約」を済ませることで、交付金の受け取り対象となる。農水省の担当課は「農家に影響がない形になると考えている」とした。
刈り取りが終わっていない農家は、31日までに製糖工場と売買契約を結ぶことが必要になる。見込み量でいったん契約するが、搬入後に実際の搬入量に修正し、見込み量との損得がないようにする。
宮古製糖伊良部工場によると、今期の搬入量は6万1000㌧の見込み。20日時点で、このうち約5500㌧がほ場に残っている。
現在は他地区からハーベスターを運び、稼働させているほか、工場職員らが手刈りを行っている。
国の交付金は、5月31日までに売り渡し(搬入)することと定められている。交付金は農家手取り額の約7割を占めるため、関係者は危機感を募らせていた。
同工場は昨年12月1日に操業を開始し、当初は4月半ばの終了を見込んでいた。長雨など天候不良でハーベスターが止まり、刈り取りが遅れていた。
農水省の担当課は「交付金の法令上、キビの状態は規定されてはいない。ほ場にキビがある状態で売り渡しの売買契約を結び、手続きを進めれば交付金の対象となる」と説明した。
交付金の期限の見直しについては「すぐに見直すことはできない。収穫が遅れると次期作への影響が出てくるので、いろいろな検討が必要。まだ、何とも言えない状況だ」と述べるにとどめた。