初の「待機児童ゼロ」/市22年4月時点
認可化促進など奏功/入所申込者減の影響も
2022年4月1日現在の市の保育所待機児童数は前年度の2人から2人減の0人となり、宮古島市として初めて「待機ゼロ」を達成したことが市子ども未来課のまとめで分かった。過去には89人もの待機児童がいた年もあったが、認可外保育所の認可化促進や保育士確保の取り組みなど待機解消に向けてこれまで市が取り組んできた施策の成果に加え、入所申込者数の減少が続いていることなどから念願の「待機児童ゼロ」が実現した。
22年4月1日時点での市内の認可保育所42施設トータルでの受け入れ可能人数は2377人。これに対し入所申し込み人数は2062人、そのうち2047人が入所している。
申し込み者のうち15人が入所に至っていないが、これはほかに空きがある認可保育所がありながら、定員に達している保育所への入所を希望しているもの。入所可能な保育所がありながら申請者の意向で入所に至っていないケースのため、この人数は待機児童に含まれない。
年齢別に見ても、すべての年齢で入所園児数は受け入れ可能人数を下回っていて、待機状態が解消されていることが分かる。
過去の待機児童数を見ると、4月1日時点で最も多かったのは11年度の89人、次いで13年度の80人。14年度から17年度までは50人から60人前後で推移したが、18年度には28人に減少。その後、19年度は12人、20年度には1桁台の9人、そして21年度は2人にまで減少し、22年度でゼロとなった。
11年度からの待機児童増加を受け、市では認可外保育施設の認可化移行の促進や、保育士確保のための試験対策講座開催、島外の保育士が市内の認可保育所で就労する場合に渡航費や転入費などに補助金を交付するなどの対策を行ってきた。その結果、保育所の入所定員が増加し、待機児童数が減少する結果につながった。
待機児童がゼロとなったもう一つの要因として、入所申込者数の減少がある。20年度の申込者数は2176人だったのに対し、21年度は2100人、22年度は2062人と減少が続いている。その理由について子ども未来課では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、保育所での集団保育を避けたいと考える家庭が出てきているためではないかとの見方を示す。
「待機児童ゼロ」を継続させていくために必要なこととして同課では、さらなる保育士の確保を挙げる。「既存の施設の受け入れ定員を考えると2500人近く受け入れることができるはずだが、保育士不足から施設定員の上限まで受け入れることができない状況。待機児童ゼロを続けていくため、保育施設の充実と保育士確保を目指していきたい」との考えを示す。