日照不足で葉数半減/葉タバコ
雨水たまり疫病発生も/農家に痛手、天候不良続く
年明けから天候不良が続く中、今期の葉タバコ生産は厳しい状況になっている。2月の日照不足で茎が伸びず、葉の枚数も例年の半分ほどしかなく、収量は大幅減となりそうだ。天候不良続きで畝間に雨水がたまることで、雨水から菌が葉にうつり、表面を白化させる疫病が発生している畑もあり、農家にとっては痛手だ。
葉タバコは年末に苗床に種をまき、苗をいったん育苗用のトレーに移し、その後、畑に定植する。定植は1月下旬から始まり、2月ごろまで順次行われる。2、3月は茎の伸長とともに葉数が増えていく。
今期は定植する時期から晴れ間が少なく、特に2月は長雨に悩まされた。日照不足で光合成が不足し、成長が鈍った。例年、18枚ほどの葉が収穫できるが、今期は10~12枚程度と半減している。また葉の枚数が減ることによって、土中に施した肥料を吸い上げる体力が弱まる。畑では葉が上方向ではなく、斜め下に伸びているのが目立つ。土中に残った肥料を吸い上げようと、茎と葉の付け根に生える脇芽の成長が一段と早まるという。脇芽に養分を取られないよう、農家にとって脇芽を除去する作業にも苦労している。
3月末から収穫が始まっているが、梅雨入り前からも連日の雨で作業がはかどっていない。畝間には雨水がたまり、立ち枯れも目立っている。農家が「ボタモチ」と呼ぶ疫病も発生しており、さらに痛手だ。雨の中、AP1と呼ばれる収穫機で作業していた農家(66)は「今年は3・5㌶を植え付けている。収量は半減とまではいかないと思うが、見通しは厳しい」と、恨めしそうに雨空を見上げた。例年6月中旬ごろまでに収穫を終えるが、今年は早まりそうだという。