し尿処理予定地を変更/市地方港湾審が市に答申
港湾から都市機能用地に
市地方港湾審議会(会長・下地義治宮古島商工会議所会頭)が30日、平良港マリンターミナルで開かれ、座喜味一幸市長から諮問のあった平良港下崎地区の港湾関連用地0・4ヘクタールを都市機能用地に変更することを審議し、諮問通り認めた。同日、下地会長が伊川秀樹副市長に答申書を手渡した。市は同地に、し尿処理施設の整備を計画している。
今回変更されたのは下崎地区の公共下水道終末処理施設に隣接している港湾関連用地2・8ヘクタールのうちの0・4ヘクタール。座喜味市長が、伊良部佐和田で計画していたし尿処理施設の整備を見直し、生活排水の一体化処理に方向転換し、その施設用地になる。
審議会で座喜味市長は「近年の平良港を取り巻く状況が著しく変化しており、貨物船舶の大型化、海上保安部の巡視船配備、大型クルーズ船の再開の動きなどがある。島内では大型ホテルの建設が進められており、早急な生活インフラ整備が望まれている。これらの課題に対応できる港湾計画とし、平良港の機能強化を図っていきたい」と理解を求めた。
生活排水の下水道、農漁業集落排水、し尿の処理はそれぞれ所管省が異なる。下水道は国土交通省、集落排水は農林水産省、し尿は環境省。本来、し尿は下水道施設では処理できない仕組みだが、人口減少などを背景に、生活排水処理事業の維持が将来的に困難になることを想定して、国が所管庁にまたがる一体化処理を打ち出している。
市のし尿処理は下水道の処理施設に希釈して投入する方法で行っている。市には現在、し尿処理施設はない。一時的に下水道施設を借りて処理している状況。市は19年3月にいったん平良荷川取の投入施設を増強することを決定していたが、わずか2年後の20年3月には伊良部佐和田でし尿処理施設を整備する計画に転換した。しかし初期の整備費やランニングコストなどを勘案した座喜味市長が一体化処理にかじを切った。