「キビ支援事業」内容拡充へ
9月議会提案向け調整/座喜味市長
座喜味一幸市政となってから、市議会における最大の争点となっていた「サトウキビ収穫管理支援事業」。座喜味市長が何度も議会に提案するも野党の反対を受けて事業費は削除され続けてきた。それでも座喜味市長は成立に向けて強気の姿勢を貫いてきたが、9日に開会した6月定例会には提案されなかった。その理由について、座喜味市長は「最近の社会情勢の変化に対応して、さらに拡充した内容で9月定例会に提案したい」との見解を示した。
同事業は、サトウキビ収穫1㌧当たり500円の支援金を農家に給付する内容で、これまで同事業費が盛り込まれた21年度の補正予算や22年度の当初予算は野党の反対を受けてその費用が予算から削除され続けてきた。
同事業の導入理由について、当局は「(現金の支給は)いろいろな用途で使ってほしいとの思いがある。同事業により農家の生産意欲は高まるとの判断で予算化した」と説明。
一方で野党側は「ばらまきだ」と主張しながら「なぜ、キビ農家だけなのか」「仕組み、体制づくりを進めて助成するべき」との主張で対立していた。
提案を9月定例会に持ち越すことについて、座喜味市長は「これまでのキビ農家に対する1㌧当たり500円の支援をベースに施設園芸などを含め広く平等に生産農家を支援する制度にしたい。与党とも調整しながら9月定例会への提案を予定している」と説明した。
さらに「最近は社会状況が大きく変化して、生産資材の高騰も大きな課題となり、生産意欲にも影響を及ぼしている。農薬、肥料、飼料等も値上がりする見込みで、国も対策を取る動きがある。そういう意味で9月までには市としても状況に応じた制度設計をしたいと思っている」と述べた。
これまで同事業ついては、与野党ともその主張が平行線のままだったが、2月末のロシアのウクライナ侵攻による社会情勢の大きな変化もあり、座喜味市政としては各種生産資材の高騰にも対応を迫られる状況となった。
そうした状況にも対応しながら、野党側の主張をも組み入れて、理解を得る内容にするための調整が、座喜味市長と与党内部で今後進められる見込みとなっている。