利活用計画いまだ示せず/旧平良庁舎
維持管理費、年間1668万円
旧市役所平良庁舎の利活用計画がいまだに示されていないことについて、17日の市議会6月定例会一般質問で山下誠氏が「スピード感という観点から見れば遅い」と市の対応に疑問を投げ掛けた。市によると、旧平良庁舎の維持管理費は年間で1668万円に上る。
維持管理費削減の観点から設置した検討委員会は、昨年12月に1回開かれただけ。山下氏は「年度内に3回開いて、結果を市に報告するはずではなかったか」と質問した。
與那覇勝重総務部長は答弁で「売却以外の利活用も検討すべきとの(委員からの)意見を反映させる内容に方針を修正する必要があった」などと釈明。「10月頃に利活用方針を決定するよう、今後全力で業務に取り組んでいきたい」と述べた。
旧市役所平良庁舎の利活用については、15日の一般質問でも久貝美奈子氏が取り上げ、市に早期の対応を促した。
山下氏は、「行政に必要なスピード感」との観点から質問。「仕事が後手後手に回っている。維持管理費も掛かっているので早急に委員会を開き、利活用計画を示してほしい」と述べ、典型的な「お役所仕事」にくぎを刺した。
今年3月末に検討委員の任期は終了。今後の委員会について與那覇総務部長は「構成委員は基本的には同じメンバーになるが、新たに1、2人加えて進める」と述べ、近日中に改めて委嘱状を交付する考えを示した。
旧平良庁舎内にある備品については「これから市民に対して譲渡会を開催する。残った備品については廃棄処分をする」としたものの日程などは決まっておらず、「早い時期に開催したい」と述べるにとどめた。
市財政課によると旧平良庁舎の2021年度維持管理費は1668万円。内訳は水道光熱費が792万円。消防設備、電気保安委託料など876万円となっている。
市は今年度当初予算に、同庁舎の維持管理費を4月~9月までの半年分の予算しか計上していない。本紙の取材に財政課は「半年で(利活用計画は)決着がつくだろうと思った」と理由を説明。「長引けば補正で対応するしかない」と話した。