認知数は16件減の133件/21年度児童虐待
最多は心理的虐待/県児相宮古分室
県中央児童相談所宮古分室(渡久山和之分室長)のまとめ(速報値)によると、2021年度に同分室へ寄せられた相談から児童虐待が認知された件数は133件で、前年度比16件減の微減となったことが分かった。虐待の種別で最も多かったものは心理的虐待で、中でも家庭でDV(夫婦間などでの暴力)を子どもが目撃してしまう「面前DV」の相談が多いという。
21年度に同分室が受け付けた相談件数は前年度比25件増の336件だった。そのうち虐待相談は前年度比2件減の180件あり、その中から133件が虐待と認知された。
虐待認知数を種別で見ると、身体的虐待が前年度比3件減の17件、ネグレクト(育児放棄)が5件減の8件、性的虐待は1件増の1件、心理的虐待は9件減の107件だった。
虐待認知件数を受け付け経路別で見ると、最も多かったのは警察からの通告で103件となり全体の8割近くを占めている。次いで家族親戚からの相談が8件、都道府県・市町村関係からの通告が7件、学校等からの相談が6件と続く。
虐待を受けた子どもの年齢区分別人数は、高校生・その他が6人、中学生26人、小学生49人、3歳から学齢児前が31人、0歳から3歳未満が21件となっている。
一時保護を実施した件数(延べ人数)は20件で、内訳は虐待相談が4件、養護(その他)が9件、その他が7件。一時保護の実人数は9人で、そのうち虐待での保護は3人だった。
21年度の相談実績について渡久山分室長は「相談件数、虐待件数共に前年度並みで、同じような状況が続いている」との認識を示した。児童虐待で心理的虐待が多い状況については「全国、県全体でも同様の傾向。DVがある家庭で、それを児童が目撃することも心理的虐待(面前DV)に当たり、その件数が多い」と説明した上で「DVがある家庭では暴力が子どもに向かう可能性も心配されるので、引き続き注意していきたい」との考えを語った。
また、児童虐待の背景には子育てへの悩みなどがある場合もあるとして、子育て支援を関係機関が連携して行う必要性を指摘。「虐待疑いの情報があれば児童相談所や市町村に相談、通告してほしい」と呼び掛けた。