農家救済策を提案/市議会経工委
再審査で付帯意見/不利性解消事業の補正可決
市議会の経済工務委員会(西里芳明委員長)は20日の委員会で、「農林水産物流通条件不利性解消事業」における同事業補助金5000万円が盛り込まれた2022年度一般会計補正予算案(歳出)の審査を行い原案通り可決した。ただ、農家が不利益を被った場合には、「セーフティネット」(救済策)を意見として付すことを決めた。最終本会議で西里委員長が報告する。同日行われた総務財政委員会(下地茜委員長)でも同事業補助金が加えられた同補正予算案(歳入)を原案可決した。
同事業は離島から沖縄本島、鹿児島までの農林水産物の輸送費の一部を補助し、農林水産業の持続的な維持増進を図ることが目的。9月から各市町村に事業主体が移行する。市には今年度、5000万円が配分され、市議会6月定例会に補正予算として提案されている。
同議案の付託を受けた経済工務委では「県の実績内容が分からないので、この金額が妥当か疑問」、総務財政委では「根拠となる資料が不足」などの理由で採決が見送られていた。
経済工務委での再審査で新里匠氏は、同事業の重要性を強調した上で、「生産農家は作物を継続して栽培・出荷するが、実験的な中に放り込まれている」と指摘。市場における価格変動は農家の収益に大きな影響を与える可能性があるとして、収入の減少分を補てんするなどのセーフティネットの構築を要望した。
委員からは特に反対意見などは上がらなかったことから、同委員会の意見を付して本会議に報告することを決めた。
同事業は、県が22年度から制度設計しており、砂川朗農林水産部長は「どういった部分に影響が出るのか、生産者や事業者から意見を取りまとめ、県に要望していきたい」などと述べ、まずは県の制度要綱に従い事業を実施していく中で分析する考えを示した。