2案可決も対応割れる/農家支援要請決議
市長要請は全会一致/県知事要請12人退席/市議会6月定例会
市議会(上地廣敏議長)6月定例会は22日、農林水産物流通条件不利性解消事業の制度変更に伴う農家経営への影響に支援を求める二つの要請決議案が審議され、いずれも可決された。一方は市長に対する要請で全会一致での可決となったが、もう一方の市長と県知事への要請は「県への要請にはそぐわない」などの理由から12人が退席した中での可決となった。
決議案の表題はいずれも「農林水産業の安定経営に向けた支援に関する要請決議」。そのうち保守宮古未来会の山里雅彦氏が提出した要請は市長宛てで、①物価高騰の対策として農林水産業の生産現場への支援体制を早急に構築し具体的な支援を実施する②船舶輸送へ移行するコールドチェーン体制(生鮮食料品を冷凍のまま送る体制)が確立するまでは期間を要することが想定されるため航空輸送に対する本市独自の補助を含めて検討する③コールドチェーン体制構築に向けて各関係団体へのヒアリングを十分に行うとともに国や県、関係団体との連携強化を図る-ことを求めている。
もう一方は自民会派の我如古三雄氏が提出。決議案の説明文は山里氏と同様だが要請内容②の「本市独自の補助」が「宮古島市および沖縄県独自の補助」となっていて、宛先が市長と県知事になっている。
我如古氏の決議案提案に対し、保守宮古未来会と公明、市民創会の議員計10人は「県への要請にそぐわない」として退席。市民ネット結の2人は「内容は理解し、県に提出することも同意できるが、事前調整できなかった経緯に疑問がある」との理由から退席した。
計12人が退席したものの、残った議員は議長を含め12人で定足数の半数を割り込まなかったことから、審議、採決が行われ、議長以外の11人の賛成で可決された。
議会終了後、保守宮古未来会、公明、市民創会は会見を開き、退席について山里氏が「県に出すことに反対ではないが、われわれの出した内容は県の事業に対し市に取り組みを求めるもの。同じものを県に出すことは市議会としてどうなのかと勘案した結果、退席という形になった」と説明した。
自民会派代表の粟国恒広氏は「私としては県に(事業変更の)再考を求める決議にしたかったが、全会一致が良いということでこの形になった。本当に全会一致を目指すのであれば、議会運営委員会を開いて議会議決という形にすべきだった」との思いを語った。