平和への思い次世代へ/市戦没者追悼式平和祈念式
不戦の誓い新たに/制限緩和し80人参列
沖縄戦が集結してから77年目を迎えた「慰霊の日」の23日、宮古島市全戦没者追悼式および平和祈念式(主催・市、市教育委員会)が市未来創造センター多目的ホールで行われた。参列者が戦没者のみ霊を慰めて不戦の誓いを新たにした。今年は、新型コロナウイルスの感染対策を徹底しつつ、昨年よりも制限を緩和しての開催となった。
座喜味一幸市長は「平和を希求する強い思いを、次世代に継承していく責務を果たすとともに、恒久平和の実現に向けて努力していく」と平和メッセージを読み上げた。
式典の参列者は、昨年は市長、副市長、教育長、各地域遺族会の会長5人、実行委員会の計15人に限定していた。今年は、感染防止対策を徹底し、県議や市議、特別招待の県宮古事務所長ら約80人が参列した。
また、西辺中3年の上原美春さんが平和の詩「Unarmed」を朗読し、みやこ少年少女合唱団の中学生団員たちが「つながるいのち」「大切なふるさと」で歌声を披露した。
式典は、午前11時50分から開始され、正午の時報に合わせて全員で黙とうをささげた。
座喜味市長は式辞で、終戦から77年、戦争を知らない世代が大半を占め、戦争の体験と記憶が薄れようとしているとしつつ、「平和の尊さや命の大切さを未来へと語り継ぎ、二度と戦争の悲劇を繰り返すことのないよう決意を新たに、恒久平和の実現に向けて、より一層努力する」と誓った。
市戦没者遺族会の川満俊夫会長は「平和と繁栄が戦没者のみ霊の上に築かれたことを決して忘れない」と追悼の言葉を述べた。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻に触れ、「子供たちや一般市民が巻き込まれ、多くの人々が今なお犠牲になっていることに強い憤りを覚える」と強調した上で、「み霊の犠牲を無駄にしないためにも、温かいぬくもりのある社会づくりに頑張る」と改めて決意を示した。
最後は参列者が献花を行い、み霊を慰め不戦の誓いとともに恒久平和を願った。