悲惨な戦争忘れない/多良間慰霊祭
遺族らが恒久平和誓う
【多良間】村主催の慰霊祭が23日、村仲筋の慰霊の塔で厳かに執り行われた。伊良皆光夫村長をはじめ、遺族会、児童生徒らが参列し、戦没者に哀悼の意をささげるとともに恒久平和を誓った。今年も昨年に引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して行われた。
慰霊祭には伊良皆村長のほか、村議会の福嶺常夫議長、遺族会の高江洲正則さん、村内の婦人会や区長代表などが参列した。参列者は正午の時報に合わせて1分間の黙とうをささげ、戦没者の冥福を祈った。
伊良皆村長は「沖縄戦から77年目となる今年、私たちが享受している平和と繁栄は、犠牲となられた尊い命と、筆舌に尽くしがたい苦難の歴史の上に築かれたもの。この癒えることのない深い傷を今を生きる私たちは深く心に刻み、決して忘れてはならない」と強調した。
また、「日本復帰50年という大きな節目を迎えた。戦争の惨禍を二度と繰り返すことなく、世界の誰もが平和で心豊かに暮らせる世の中を実現する。この決然たる信念を貫き、不断の努力を重ねていくことを改めてみ霊に誓う」と決意を述べた。
多良間中学校生徒会長のの清村一生さん(3年)は「多良間島でも空襲があり生活を制限され、そして多くの人が命を失った。修学旅行先の長崎では原子爆弾の恐ろしさを目の当たりにした。沖縄に生まれ平和を心から願うこの日に、私たちにできることは、決して戦争を肯定する人間にならないこと、この悲惨な歴史を二度と繰り返さないように平和への思いのバトンを次につなげることだ」と訴えた。
また、多良間小学校の児童会を代表して湧川惺穂君(5年)が「平和の誓い」を発表した。