542件、89億円を融資/コロナ貸付減で半減
投資増、景気回復の兆し/21年度公庫宮古支店
沖縄振興開発金融公庫宮古支店(嶺井忍支店長)は28日、会見を開き、2021年度融資実績を発表した。融資件数は542件、融資額は89億4100万円。新型コロナ特別貸付に対する資金需要が落ち着いたことで、過去最高だった前年度から半減した。コロナ禍で見送られていた設備投資が増え、景気回復の兆しが見られるという。
資金の使途別では、企業の設備投資マインドが改善。設備資金は前年度の9億円から32億円へと大幅に増加し、4~5年前と同じ30億円台となった。
資金別では、生業資金が前年度比65・8%減の43億5500万円、中小企業資金が同11・5%減の38億8200万円だった。生活衛生資金、農林漁業資金では前年実績を上回った。
業種別では新型コロナの影響が大きい宿泊・飲食サービス業が20億円、サービス業が19億円、建設業が13億円。21年度の特徴は、卸・小売業の運転資金需要がコロナ前の水準まで下がり、33億円から7億円にと大幅に減少したことという。
「マル経資金」と呼ばれる小規模事業者経営改善資金および「沖経資金」の沖縄雇用・経営基盤強化資金の融資件数は計55件、融資金額は4億2400万円で、3年連続の減少。新型コロナ特別貸付を利用する事業者が多かったことが要因に挙げられている。
教育資金は131件で1億2900万円。教育離島特例や沖縄人材育成資金貸付、多子特例など利率や返済期間が優遇される特例制度の利用があった。
嶺井支店長は「設備投資は他の支店より宮古支店の割合が大きい。アフターコロナを見据え、設備投資する企業が出始めており、景気の回復が見えていると感じている」と話した。