平良港にクルーズ船/専用バースに初接岸
県内最初2年4カ月ぶり/国内船178人乗せ
国内クルーズ船の「ぱしふぃっく びいなす」が29日、平良港の専用バースに寄港した。新型コロナウイルス感染拡大による影響で、県内への寄港は休止されていたが、県内最初で2年4カ月ぶりに受け入れが再開された。乗船者数は178人。専用バースは整備後、初の接岸となった。
同船は29日午前7時30分に入港した。市や県、国の関係者が、笑顔と拍手で乗客らを温かく出迎えた。乗客と市民の接触を極力避けるため、歓迎式典などは実施されなかった。
乗客は下船前にPCR検査で陰性を確認。観光バスに乗り込み、島内観光に出掛けた。
同船は、日本クルーズ客船が運航。総トン数は2万6594㌧。全長183・4㍍、幅は25㍍。客室数は230室となっている。
6月26日に神戸港を出港し、7泊8日の日程で宮古島をはじめ、沖縄本島、奄美大島などに寄港する。29日午後6時には本部港に向け、出港した。
クルーズ船は、市への入域観光客を押し上げていた要因の一つ。新型コロナの世界的な感染拡大により、寄港は休止されていた。平良港への寄港は2年5カ月ぶりとなった。
今年3月末に完成した専用バースは、22万㌧級のクルーズ船が接岸可能となっている。当初は14万㌧級対応の370㍍だったが、現在は420㍍に延伸されている。総工費は149億円。
初接岸を見守った沖縄総合事務局平良港湾事務所の照屋雅彦所長は「工務課長時代にプロジェクトを立ち上げた。この岸壁に最初の船が入り、感無量だ。クルーズ船の寄港が宮古島や沖縄県の経済回復のきっかけになってほしい」と期待した。
宮古島商工会議所の根路銘康文副会頭は「再開をきっかけに夏や来年に向けて、観光客は増えるだろう。少しずつ宮古も盛り上がっていければと感じている」と語った。