先島航路輸送強化に期待/関係者招き内覧会
南西海運の貨物船/新造船「よね丸」
大米グループの南西海運(下地米蔵会長)がこのほど、平良港と那覇新港、石垣港を結ぶ先島航路に就航させた新造船の「よね丸」の内覧会が7日、関係者を招いて平良港第2ふ頭岸壁で行われた。
夏の青空の下、その大きな船の外観と内部の広さに、参加者からは「すごく大きいね」「きれいな船だね」などの感想が聞かれた。
内覧会前のあいさつで、下地会長は「この『よね丸』は今回で3代目となる。代を重ねるごとに大型化し、こうして会社として大型船を持つことが夢だった」と同船の就航を喜んだ。
その上で「宮古で生まれた会社がこうして発展できたことも宮古や八重山の皆さんが南西海運を育ててくれたおかげ。さらに、職員、船員たちの協力を得て素晴らしい船が就航できた。これからも安全航海で海上輸送を頑張るので、見守ってほしい」とあいさつした。
内覧会では、参加者たちが内部の広さに驚きながら、最新の設備を有した船内環境にも興味津々の様子で見入っていた。
「よね丸」は、全長154メートル、全幅25メートル、航海速力は21ノット。総トン数8750トン、積載トン数は5000トンの「RORO船」。同社所有の船舶では最大級となる。
RORO船は「ロールオン・ロールオフ型貨物船」の略。貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま運ぶことや、車両を自走で積むことが可能となる。
コンテナ船の荷役に必要なクレーンが不要となり、より安全で迅速な作業が実現するという。航海中の振動や横揺れが軽減されることで、貨物へのダメージリスクも減少すると期待されている。
災害時対策としての防災船機能も備え、本船から陸側設備へ電力供給と給水が可能という。電力は一般家庭約120軒分に相当する約600キロワット、飲料水などは160トンが非常時に提供できる。