市長「再発防止策の徹底を」/巡視船実弾誤射
海保が原因と対策説明/福本部長「信頼回復したい」
19日に発生した宮古島海上保安部所属の巡視船「しもじ」が陸上側に20㍉機関砲の実弾8発を誤射した問題について、同保安部の福本拓也部長は26日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね原因と今後の対策について説明した。座喜味市長は「人への被害がなかったことは不幸中の幸いだが、二度とこういうことがあってはいけない。市民の信頼を得るためにも丁寧にもう一度調査をして、安全管理のルールづくりを徹底してほしい」と強く求めた。
福本部長は「こうしたことで信頼を失うことは残念でしかない。その信頼を取り戻すためにも二度と同じ過ちを繰り返さないという使命感を持って常に業務に当たりたい」と再発防止に決意を示した。
今回事案の概要について福本部長は、実弾が発射可能な状態にあることを確認しないまま取り扱い訓練を実施した結果、人為的ミスで誤発射となったことを説明。その原因については、マニュアル類の不順守▽意思疎通の不足▽機関砲の構造の理解不足-があるとした。
意思の疎通面では、訓練実施前のブリーフィングの不実施等により、実弾の状態に関する認識の共有がなされていなかったことを問題視している。
再発防止対策について福本部長は「本庁でとりまとめている内容だけではなく、宮古島独自の留意点を加味して、安全対策を立てたい。陸側に向けて砲を向けない、岸壁において実弾を給弾しないなどはもちろん、現場の実情に応じた形の再発防止策をしっかり構築したい」と述べた
座喜味市長も「今回のことで少し海保に対する信頼が揺らいだ部分は否めない。しかし、担っている業務の重要性は認識しているので、市民からの信頼を損なわないようにしてほしい。今一度、原点に戻って徹底的に原因究明と再発防止に向けて取り組んでほしい」と求めた。
安全が確認されるまでは機関砲を使うことは禁止となっているが、再開に向けて福本部長は「再発防止対策がしっかり取れているという自信を持って市役所、議会、地元自治会などにしっかり説明させてもらい、その理解を得てから訓練を再開する判断をしたい」と述べた。