キビ代金 9億増の89億7600万円/21・22年期産
高品質で押し上げ/ハーベスター刈り9割
農業振興会・糖業振興会総会
宮古地区農業振興会(会長・座喜味一幸市長)と宮古地区さとうきび糖業振興会(同)の2022年度総会が28日、JAおきなわ宮古地区本部であり、21年度の実績、決算、22年度の計画、予算が審議された。宮古地区の21-22年期産サトウキビ代金は前期比約9億円増の89億7600万円だったことが報告された。平均反収は下がったものの平均糖度が15・49度と品質が良く総額を押し上げた。一方で天候に左右されるハーベスター収穫が9割を占め、各工場とも操業終了がずれ込み課題が残った。
21-22年期産は生育初期から生育旺盛期に干ばつ傾向で株出しと春植えの茎伸長が鈍化したが、その後は適度な降雨があり、台風などの大きな気象災害がなく順調に生育した。
生産量は前期比9400トン増の36万3000トン、平均反収は0・69トン減の6・124トン、平均糖度が15・49度と高く、トン当たりの代金は前期比1880円高の2万4729円(交付金含む)だった。
ハーベスター利用率は農家の高齢化に伴って増加し、89・2%でほぼ9割になっている。上野地区では95・2%が機械刈りだった。
製糖操業は地区4工場とも12月に開始する年内操業で宮古製糖伊良部は1日、同多良間は2日、同城辺は10日、沖縄製糖は13日だった。年内は天候に恵まれたが、年明け1月中旬から降雨が続き、ハーベスターによる収穫が進まず各工場はスロー運転や一時中止を余儀なくされた。
本島内2工場は80日間程度を予定したが4月中旬までずれ込み沖糖が123日、宮糖は124日かかった。宮糖多良間は6月、同伊良部は7月までずれ込み、それぞれ185日、214日と大幅に遅れた。
キビ代金に加算される交付金の期限は6月末だったが、間に合わなかった伊良部地区では収穫見込み量で買い取るという異例の状況になった。総会では天候を予測した収穫量調整や操業期間前半に集中している手刈り収穫の平準化などを指摘する意見があった。