港停泊中の実弾装填禁止/宮古島海上保安部
独自の再発防止策発表/巡視船機関砲の誤射で
宮古島海上保安部(福本拓也部長)所属の巡視船に搭載する20㍉機関砲から実弾8発が誤って発射された事故で同保安部は29日、海上保安庁が策定した再発防止策を踏まえて、さらに踏み込んだ同部独自の再発防止策を策定した。同部では「今後は再発防止策を所属船艇に早急に浸透・徹底させ、風化させることがないよう全力で取り組んでいく」と説明した。
同部では誤射事案が①マニュアル類の不順守②意思疎通の不足③機関砲の構造の理解不足-の3点の要因が重なったと分析。緊急安全点検として砲、射撃システムの点検や船長、担当職員の砲構造と操作に関する練度の確認と再教育を実施した。
マニュアルでは、実弾が発射できる状態にするのは洋上射撃訓練直前となっているが、今回は射撃訓練の前日の段階で実弾が装填(そうてん)されていた。これについて現船長乗船期間(3年目)で過去2回とも洋上射撃訓練前日に実弾が装填されていたことが確認されたと明らかにした上で、マニュアル不順守が常態化していたという指摘について「そしりを免れない」と話した。
独自の対策としては着岸中の実弾装填の全面禁止に加えて、取り扱い訓練時に実弾が装填されていないことの確認を船長が目視で行うことを徹底することなどをマニュアルに明記した。
また、射撃手順の確認等についてチェックリストの導入を含め▽最新の安全対策が船内マニュアルに反映されていることを定期的に確認▽訓練後の振り返りを再徹底し、課題や改善点を共有反映させる▽各船の船内マニュアルの良い点を集約し最善のマニュアルに統一化を図る▽毎年の人事異動以降も最新の安全対策が維持、徹底されるよう陸上担当職員による実地確認の継続-といった対策を講じていく。
同部ではこれらの緊急的な対策を確実に履行した上で、地元関係者や各自治会へ丁寧に説明し、理解を得た上で、洋上射撃訓練や島内に着岸中の所属巡視船艇の取り扱い訓練の再開時期を判断する。一方、業務継続の観点から洋上での取り扱い訓練については順次再開していく方針。