公共下水道 21年度加入率85・3%/前年度比5・2ポイントの増
早期加入へ協力呼び掛け/市下水道課
宮古島市の公共下水道加入率(2021年度末)は85・3%で前年度に比べ5・2ポイント増加したことが分かった。加入率は年度ごとに上昇傾向にある。これは市内の市街地で行われている区画整理地区整備事業に伴い、新築アパートの建設などが増加し、新築物件を設計する段階で、個人の浄化槽を用いず公共下水道に結節する戸数が増加したことなどが主要因となっている。ただ、公共下水道加入率は県内11市の中では低水準となっており、市では家庭からの排水が環境に及ぼす影響などを考え、市民に対し早期の公共下水道加入への協力を呼び掛けている。
公共下水道の整備は平良西里、下里、東・西仲宗根、荷川取などの人口密集地の地域を対象に、1990年から本格的な事業が開始された。市の全体の整備計画面積は839ヘクタール。このうち認可面積(国の補助が受けられる面積)は441ヘクタールで、整備率は44・0%となっている。
認可面積の整備に対する加入率を過去5年間で見ると、17年度は73・5%だったが、▽18年度76・7%▽19年度78・2%▽20年度80・1%―と年々上昇している。
整備面積が増えていくに従って、加入率も伸びていく傾向にあり、市内市街地の区画整理事業に伴って、道路拡張整備などと合わせて公共下水道の整備事業も順調に進んだ。
また、最近の新築住宅民間需要が増えたことや、各種法令に定められたことで新築物件を建設する際、個人用浄化槽を設置せず、直接、公共下水道に結節する戸数が増加していることなどが加入率増加の主要因となっている。
だが、宮古島市の加入率は県内11市の中では低い水準にある。市下水道課によれば、下水道管から各戸に引き込む排水管の工事は自己負担となるため、公共下水道までの結節管工事は個人で行う必要がある。平均約20~30万円の工事費が掛かるため、加入を先送りする家庭が多いという。
一方、公共下水道事業とは別に進められる農村、漁村地域での「排水事業」は加入率が高くなっており、農業集落排水事業では、▽比嘉81・2%▽与那覇65・6%▽上地100%▽宮島48・1%▽高野89・1%▽川満100%―の6カ所163ヘクタールが整備され、加入率は21年度末で87・6%。漁業集落排水事業(整備面積78ヘクタール)は池間が31・4%、久松が52・4%で加入率は42・8%となっている。
市下水道課の下地弘明課長は「公共下水道事業の市民への周知が進んだ成果として加入率も伸びる傾向にある。ただ、依然として県内では低水準にあることから、環境保全のためにも同事業に対する市民皆さんの理解と協力を求めていきたい」と話した。