運転免許返納者は129人/宮古島署21年まとめ
前年を12人下回る/今年は上半期で55人
宮古島市で2021年に運転免許証を自主返納した人は129人だったことが宮古島警察署のまとめで分かった。前年の141人に比べ12人減少した。22年上半期(1~6月)では55人が返納している。返納者の多くは高齢者。同署では本人や周囲の人が少しでも運転に不安を感じたら免許返納を前向きに考えてほしいと呼び掛け。返納すると交通機関や飲食店の割引などの「優遇措置(支援制度)」が受けられる制度もPRしている。
全国的に高齢者が運転する交通事故が増加傾向にある。宮古島市でも2017年に81歳の男性が運転する車が商業施設の店舗に突っ込む事故が発生している。
宮古島市では高齢者本人が自主的に返納するよりも、家族から促されて返納するケースが多いという。警察では「家族と相談して、早めの返納を検討してほしい」と話している。返納は原則、本人が窓口で手続きを行うが、入院や施設入所等の事情により、来庁できない場合は代理人による返納も可能となっている。
一方、一部の高齢運転者からは「移動手段がなくなる」といった強い反発や、長年の運転経験から「自分に限っては大丈夫」などの理由で返納に踏み切れない状況もある。このため、運転免許証を自主返納した高齢者には「運転経歴証明書」が交付され、提示すると料金割引などの支援制度が受けられる。
同制度は自主的な返納を促し、高齢者が関係する交通事故を地域一体となって防止することが目的。宮古島市でも多数の事業所がこの制度に協力している。
同署では「全国でも高齢者の交通事故が多発している。少しでも運転に不安を感じている人は返納を検討してほしい」と呼び掛け。今後も、高齢者が車を運転しないという決断の後押しや、返納後の「車なし生活」を支援していきたいとしている。