来月、地下水追加調査へ 宮古島市/農薬検出との指摘受け
駐屯地周辺PFOS検査も/市議会9月定例会
宮古島地下水研究会が島内の水道水と地下水から複数の化学農薬成分を検出したとの調査結果を発表したことを受け、市は10月に9カ所で地下水モニタリング調査を行う。開会中の市議会9月定例会で8日、下地睦子環境衛生局長が説明した。また別途、市上野の自衛隊駐屯地周辺の井戸4カ所でPFOS(有機フッ素化合物)の水質調査も実施する。
市は9月定例会に提案している一般会計補正予算案に調査費用を計上している。
同会は今年6月、独自の調査で市平良下里の水道水と市内9カ所の地下水から複数の化学農薬成分を「微量ながら検出した」と発表。検出量はいずれも国の定める摂取許容量を下回っている。同会は「安全担保のためにも継続的な調査を行政に求めたい」とした。
調査は昨年11月から今年3月にかけてサンプル採取した。水道水から検出されたのは、害虫防除剤として使用されるネオニコチノイド系農薬クロチアニジンとジノテフラン、フェニルピラゾール系農薬フィプロニルの3種類。国による1日摂取許容量の270分の1~1万4000分の1だった。市民10人の尿検査も実施し、全員からネオニコチノイド系農薬成分が微量ながら検出された。
下地局長は「9月中に地下水審議会の専門部会を開催し、了承されれば10月に調査を実施する。結果は3週間から1カ月程度で判明する。結果公表は11月か12月」と想定しているスケジュールを説明した。また同会が依頼した水質調査機関が国に登録されていない機関で、「市は国に登録された検査機関に依頼する」とした。市は毎月、今回の9カ所を含む市内13カ所で硝酸性窒素などの含有量のモニタリング調査を実施している。
PFOS調査については「議会から再三、要望が出ている。これまでPFOSの水質検査は実施したことがなく、数値の資料がない。基地内でのPFOSが含まれる泡消火薬剤の使用実績はないが、検査を行い数値を残すことで、基準値として示すことができる」とした。