長雨影響、赤字決算/宮糖株主総会
売上高41億円、前期比増/雨天日先読みの原料確保課題
宮古製糖(渡久山和男社長)は22日、市未来創造センター多目的ホールで第63期(2021年7月1日~22年6月30日)定時株主総会を開いた。売上高は41億1500万円となり、前期に比べ2億6900万円増えたものの純利益はマイナス1億1000万円となり、前期の黒字から赤字に転じた。長雨の影響で歩留まり(原材料に対する出来高率)が低下したり人件費が増えたりしたことなどが要因。渡久山社長は「ハーベスター刈り取りができず、原料搬入不足による圧搾停止を余儀なくされた」と述べ、雨天日を先読みした原料確保の手法が今後の課題だとした。
損益計算書によると、売上高41億1500万円に対し、売上原価は計44億200万円となった。
販売費および一般管理費は6億6500万円で営業損失は9億5100万円を計上した。
これに営業外収益、特別利益などを加えた最終的な純損失は1億1000万円となった。
総資産は38億1000万円、純資産は21億7200万円、自己資本比率は57・0%となった。
事業報告書によると、今期(21年/22年期)は3工場とも年内操業で、生産量は城辺、伊良部両工場は平年を上回る良い成績だった。多良間は3万トンを超える「大豊作」となった。
品質は3工場共に開始当初から操業終了まで高品質で推進した。
しかし、1月後半から降雨日が多くハーベスターによる刈り取りが遅れ、搬入と工場稼働に影響があった。特に多良間と伊良部では前期製糖終了より約2カ月以上も日数に差が出た。
今期のハーベスター原料の搬入率を工場管内でみると▽城辺94・1%▽伊良部80・6%▽多良間72・0%―。年々増加しており、降雨日が多い製糖期には刈り取りと原料確保に苦慮することが予想されるとした。
今後の課題として、高齢化と多量生産農家の増加に伴い、手刈りから機械刈り収穫への移行が多くなることから、今後もハーベスターの導入と活用を推進する方針を示した。
議案の貸借対照表などの「計算書類」、取締役の退任に伴う補充選任の計2件を原案通り承認した。
株主総会の冒頭、あいさつした渡久山社長は、長雨の影響で各工場の停搾期間が城辺23日間、伊良部66日間、多良間で28日間それぞれ発生したことや、伊良部工場管内では国の交付金の期限が迫り、農林水産省の救済案で「事なきを得た」ことを挙げ「天候の影響とはいえ、長期間操業になってしまったことを株主や農家に深くおわび申し上げる」と陳謝した。
また、多良間工場において工場排水施設の不備による工場から出た排水を不法投棄したことを陳謝。「今後は宮古保健所の指導の下で、不法投棄した場所の復元に努めるとともに、処理施設の修繕に万全を期し今後このようなことがないよう進める」と述べた。