農水産業振興へ意見交換/副知事と多良間村
飼料高騰対策、煙突復旧など/水納島も視察 離島の課題共有
【多良間】県と村による「農林水産等意見交換会」が28日、村コミュニティー施設で行われた。照屋義実副知事が来島し、伊良皆光夫村長と村内の農林水産業の課題などについて意見交換を行ったほか、村が要望した「飼料価格高騰対策」など6項目について回答した。照屋副知事は意見交換後、水納島にも渡り視察した。
冒頭、伊良皆村長が「島の現状を見て、将来に向けての話やアドバイスがいただければありがたい。照屋副知事には村の国営事業の全体実施設計に向けた採択について要請し協力してもらった。12月には必ず予算化され、国営事業に向けスタートできるように期待をしている」とあいさつした。
照屋副知事は「農林水産業中心とした諸課題についての意見交換は意義深い。特に多良間村など離島地域では基幹作物であるサトウキビや肉用牛などの生産振興対策に強力に取り組むとともに、離島が抱える課題について県と町村が互いに知恵を絞り、意見交換することが重要だと思う」と述べた。
村は▽村の農業農村整備のための国営事業の着工▽農業農村整備事業の実施▽飼料価格高騰対策▽燃料価格高騰対策▽多良間製糖工場煙突倒壊復旧▽水道事業の広域化│の6項目を要望し、県の担当者がそれぞれ回答した。
このうち、県営および団体営の基盤整備促進事業を年に1地区実施してほしいとする「農業農村整備事業の実施」について、県は非常に重要であると認識しているとし、「2023年度は県営農地整備事業(安嘉応原地区)が計画されている。県としては国営土地改良事業の進捗(しんちょく)に合わせて関連事業の計画的な事業採択に向けて村と連携して取り組んでいく」と回答した。
質疑では村さとうきび生産組合の高江洲昭男組合長から「多良間では農業をするため、Uターンしても住む場所がとても少ない現状がある。若い人たちが戻ってくれば農業の後継者も育ち、八月踊りの後継者も育てられるので県が支援してほしい」と話した。
これに照屋副知事は「担い手の確保、人口流出の防止、交流人口拡大など議論する場合に必ずついてくる問題。村営住宅もかなり古くなっていると思う。建て替えについて帰ったら調査を行い、その上で判断したい」と回答した。
和牛改良組合多良間支部の森山英樹支部長は「飼料やロールに使う材料などが値上がりをしている中、送料も上乗せで来るのでどうにかしてほしい」と切実に訴え、県からは「餌代や資材が他地域よりかかってしまうことに対して何らかの対応ができないか検討したい」と話した。