市議会 政策参与報酬認める/9月定例会最終本会議
補正予算案の原案を可決/削除の総務財政委から一転
政策参与報酬などが含まれた2022年度一般会計補正予算案が29日、市議会(上地廣敏議長)の最終本会議で原案通り可決された。前日に同案を否決し、新たに政策参与報酬を削除した修正案を可決した総務財政委員会とは異なる結果となった。採決では、保守系ということもありこれまでは野党に同調する行動が見られた中立会派の2人が、今回は与党寄りの原案に賛成した。
本会議では原案、修正案について、与野党の議員が賛否をめぐり討論で論戦を繰り広げた。政策参与の報酬について、市当局は補正予算で201万円を計上。当初予算では1人分の報酬を計上していたが、4月1日に増員して2人体制としたことなどを野党議員が問題視していた。本会議では与党が原案、野党は修正案にそれぞれ賛成した。
賛成・反対をめぐる討論では、野党の下地信広氏、下地信男氏が政策参与の報酬を含む原案に反対の立場から討論。「予算措置がないまま、追加任命した。任命された政策参与は座喜味市長の後援会のメンバー。行政運営を私物化する恐れがある」「議会軽視で、当局の無計画な行政運営。誠意のない市長の答弁。認めるわけにはいかない」と主張した。
賛成の立場では与党の西里芳明氏、山下誠氏それぞれが、予算執行に問題があったとは指摘しながらも「6次産業化、平良庁舎の跡地利用など緊急を要する事態。それらを進めていくためにも政策参与は必要」。「市長もわびて、副市長も総務部長も懇切丁寧に説明したと思う。政策参与がいなくなれば事業が止まってしまう可能性がある」と述べた。
採決は挙手で行われ、修正案については野党11人が賛成したが賛成少数で否決。原案は与党10人と中立2人が賛成したことから賛成多数となり可決した。
本会議で、原案と修正案、どちらが過半数を獲得するのか、中立会派「市民創会」の動向が注視されていた。同会の狩俣勝成氏は「私たちは是々非々。市には必要だと思ったので賛成した。今後、政策参与にはスピーディーにしっかりとした仕事をしてもらいたい。結果を出さなければ次(年度)は必要かどうかの話しになる」と語った。
予算が可決されたこと受け、座喜味一幸市長は「政策参与の事業執行は大きいものがあり、原案通り予算を可決していただき感謝する。今後は予算を綿密に計画しながら議会に提案していきたい」と話した。