運転免許返納後の足に/シニアカー、高齢者が試乗
宮古島署が安全講習会
宮古島警察署(仲宗根宗信署長)は30日、市社会福祉協議会城辺支部で高齢者を対象にしたシニアカーの試乗会と安全利用講習会を開催した。約20人が参加し、実際に試乗して、走行性能や乗り心地などを体感。運転免許証返納後の移動手段としての認識を新たにした。
シニアカーは高齢者向けに製造された三輪または四輪の一人乗り電動車両で、最高速度は6キロ。成人の早歩き程度の速さで、道路交通法上は歩行者扱いとなることから車道ではなく歩道を通行する。
講習会であいさつした仲宗根署長は「運転免許証を自主返納した人や今後返納を予定している人はいると思う。返納後も生活を維持しなければならないので、自転車やシニアカーを交通手段として有効利用してほしい」、宮古島地区交通安全協会の友利勝一会長は「これからも元気で楽しい人生を送るためにも、自転車やシニアカーの利用を考えてほしい」とそれぞれ呼び掛けた。
試乗会にはスズキの「セニアカー」が使用され、提供したロータス東和オートの新城浩司代表が操作や乗り方の指導を行った。
運転免許証は返納済みという砂川栄助さん(97)は「初めて乗ったが操作は簡単だった。車には乗れないので、遠くに行く用事があれば子供に頼んで車に乗せてもらっている」と話した。
今年で運転免許証を返納する予定の友利満子さん(91)は「自分はまだまだ運転は大丈夫だと思うけど、子供が『ダメだ』といってシニアカーを買ってくれた。使ってみて3カ月だが、畑やゲートボールに行く時に乗っている。とても便利」と笑顔だった。
宮古島署によると、同署管内における今年8月末時点での人身事故発生件数は64件で、うち22件(約35%)は高齢者が絡む事故。