豚の骨つるし邪気払い/島尻自治会
きょう3年ぶり「パーントゥ」
きょう5日から2日間、島尻で開催される伝統祭祀(さいし)の仮面来訪神「パーントゥ」が3年ぶりに行われるのに先立ち、4日、邪気や病気を追い払う伝統行事「スマッサリ」(主催・島尻自治会)が行われた。豚の骨を結んだ縄は、集落の入口8カ所の木や電柱を利用して道路上に張り渡された。住民は、無病息災、子孫繁栄を願った。この縄は5日正午以後に下ろされ、パーントゥがまとうツル草を縛り付ける縄として用いられる。
「スマッサリ」という呼び名は地域によって異なっている。大神島は「シマフタヤー」、池間島は「シマフサラ」、多良間島は「スマフシャラ」、沖縄本島の屋慶名は「シマクサラシ」、糸満は「マークサラー」、石垣島白保は「シマフサラシ」などと呼ぶが、意味は同義とされる。
スマッサリは男性中心の行事とされる。4日午前8時すぎ、地域から多数の男性が参加し、役割分担の作業をこなした。縄は乾燥させたススキの葉を使って綯(な)った。昔から右よりの縄は日常の縄とされ、スマッサリは非日常であるから左よりの縄となる。
仕上がった縄は軽トラックで集落入口の道路に運ばれた。縄で豚の骨を縛り、道路上の一定の高さに張り渡した。
宮良保自治会長は「3年ぶりにパーントゥができることをうれしく思う。(新型コロナウイルス感染症が)完全収束ではないが、対策をしっかりとして実施する。訪れる人たちにも理解してもらいマスクを着用するなど対策を行ってほしい」と話した。
パーントゥは2018年、ユネスコ無形文化遺産に登録された。国指定の重要無形民俗文化財。