「裕福な世にして」/五穀豊穣、子孫繁栄願う
スーツ姿の男性らパレード/西原ミャークヅツ「中日」
平良西原のミャークヅツは「中日」の9日、集落を練り歩くパレードが行われた。数え50歳以上の男性が参加し、五穀豊穣(ほうじょう)旗や自治会旗、国旗を手に「うやきーゆなうらしよー(裕福な世にしてくれよ)」とはやしながら踊り、五穀豊穣と子孫繁栄を祈願した。
パレードには、黒のスーツ姿に白のタオルを鉢巻きにした「マスムイ」と呼ばれる男性や、白のワイシャツにネクタイ姿のお年寄りたちが参加した。
午前11時ごろに仲間御嶽を出発。「ジャー(座)」と呼ばれる広場までの約1キロを「西原のクイチャー」などの歌に合わせて、力強く大地を踏みしめながら踊りを披露した。
沿道には地元住民らが大勢集まった。地域の園児や児童、生徒も地域の伝統行事を見学。中には一緒にクイチャーを踊るお年寄りの姿も見られた。
ジャーでは「奉納相撲」が行われ、「新入生」が力を競い合った。豪快な投げ技を見せたり、笑いを誘う取り組みを見せたりと、会場を大いに沸かせた。
この日は午前5時から今年誕生した子供を神に報告する「マスムイ」が執り行われた。前年のミヤークヅツ以降1年間に誕生した、新生児33人(西原字内13人、宮古郡内5人、沖縄本島7人、本土・国内8人)が神に報告されたと披露された。
西原自治会の仲間忠会長は「昨年は新型コロナが流行していたが、今年は少し落ち着いており、3年ぶりとなるので開催できてよかった」と話した。