強盗へ局員が緊迫対応/事件想定し対処訓練
通報などの役割確認/下地郵便局
下地郵便局(与那覇寛信局長)で20日、防犯意識の高揚と職員の対処能力向上を図るため、強盗事件対処訓練が行われた。宮古島警察署(仲宗根宗信署長)の署員が強盗犯役を演じた。本番さながらの訓練では非常時に職員が互いに連携し、それぞれの役割についてスムーズに対応できるかを検証した。訓練後、同署の署員が「おおむね順調だった」と講評。若干の改善点なども指摘し、有事の際には訓練よりも順調に対処できるようアドバイスした。
午後5時15分ごろ、犯人に扮(ふん)した警察官が刃物(ダミー)を持って局内に押し入り、職員に対して「金を出せ」「動くと殺すぞ」などと脅して現金を奪って逃走した。職員らは現金を強奪して逃走する犯人にカラーボールを投げるなど対応した。
さらに、職員は通報を受け、駆けつけた警察官に犯人の特徴や逃走に使用した車両のナンバーなどを伝え、防犯カメラでも犯行の状況や犯人の特徴などを一緒に確認した。
訓練後、与那覇局長は「今回、訓練実施にあたり、強盗対策マニュアルを確認していたが、想定外の行動などがあり、動揺して思い通りの動きができなかった。防犯意識の高揚を図っていかなければならないと感じた。強盗犯は犯行前に下見すると聞いているので、日ごろから局周辺の見回り、不審車両、不審者チェックなど隙のない防犯対策をしていきたい」と感想を話した。
訓練を終えて、同署の講評では「非常通報は素早く対応できていた。職員間の連携は取れていたと思うが、想定外の役割が出てきたときの対応についても良かったと思う。重要な現場保存についてもおおむね良かったが、さらに今以上に現場保存を徹底してほしい」と呼び掛けた。また、犯人役の警察官からは「下見した時に声を掛けられた。やめようかなという気持ちになった。声掛けは重要だと感じた」と話した。
全国では郵便局を狙った強盗事件(2022年7月末現在)は11件発生。1月には那覇市の郵便局でも発生したが人的、金銭的被害はなかった。