路上寝、10月末で567件/昨年1年間を117件上回る
年末年始向け注意喚起/宮古島署
宮古島警察署(仲宗根宗信署長)で2022年10月31日までにあった路上寝取扱件数は567件で昨年1年間の450件から117件増加している。依然として1日1件以上の割合で発生しているほか、これから年末年始に向けて飲酒の機会も増えることが予想されており、同署では路上寝は事件や事故の被害に遭う可能性が高い危険な行為で、道路交通法違反の「道路における禁止行為」にも該当することから、「路上寝はしないで」と強く訴えている。
同署管内で2021年1年間の路上寝取り扱い件数は前年と比べて179件の減少となった。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せ、多くの観光客が来島しているほか、市民も飲酒する機会が増加していることから路上寝が前年比で大幅に増加しているとみられる。
路上寝は道路交通法違反になるだけでなく仮睡者狙いの窃盗や交通事故に遭う危険性がある。宮古島でも今年9月には路上寝が起因すると思われる交通死亡事故が発生したほか、10月には路上寝をしていた男性の財布を盗む仮睡者狙いの窃盗で検挙される事案もあった。
県は多量飲酒に関連する事件、事故などが後を絶たないことから、19年に「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例(ちゅらさん条例)」を一部改正し、「アルコール関連犯罪防止」を新たに追加。「アルコール関連犯罪の防止に関する指針」には路上寝に伴う事故などは深刻な課題として、積極的な検挙活動などを行うとしている。
同署ではこれまでも路上寝をしていた人に「指導警告」を与えていたが、今後、従わないで繰り返し路上寝をしていた際にはさらに厳しい対応を行う方針。また、同違反には罰則があり、5万円以下の罰金となっている。
同署では「新型コロナウイルス感染症に関連した制限が緩和され、年末年始に向けて飲酒する機会が増えることが予想される。これまで以上に適正飲酒を心掛けて自分の身は自分で守るという観点からも絶対に路上寝はしないでほしい」と求めている。
一方、路上寝を発見した際には「無用なトラブルを避けるためにも自分たちで起こすようなことはせずに通報してほしい。通報後には(寝ている人が)事件や事故に巻き込まれないよう警察官が来るまで見守ってほしい」と協力を求めた。