共生社会へ思い共有/美ら島おきなわ文化祭
4人が実現向け提言/「アートがつなぐ」テーマに
美ら島おきなわ文化祭2022の関連行事「ちむぐくる(真心)ゆい(結)フェスタ障がい者交流事業」が13日、JTAドーム宮古島で行われた。「アートがつなぐ人と人~障がいのある人もない人も誰一人取り残さない共生社会に向けて~」をテーマに、4人が対談・座談会形式でそれぞれの経験を基に意見や提言を述べた。会場には多くの市民が訪れ、地域社会における共生の実現に向け、支援の必要性や自分に何ができるかを共に考えた。
出席者は▽アイランダーアーティストの下地暁さん▽ノーマライゼーションダンスクルーリバティー代表の新城由喜恵さん▽市視覚障害者福祉協会が行っている三線教室講師の永井則行さん▽市視覚障害者福祉協会長の川満敏昭さん―。
全盲の人を理解し曲づくりに向けてヘレン・ケラーの生涯をDVDで見たり、アイマスクを着用して疑似体験をしたりしたという下地さんは「健常者も障がい者もそれぞれの当事者になれない。でも思いを共有することはできる。出会う場所、環境づくりをすれば、共生社会の実現に向けおのずと道は開けてくるのではないか」と語った。
新城さんは、障がいのあるなしに関係なくダンスを教えているという。「障がいという言葉がある以上、何らかの違いはあると思う。皆一緒ではなく、違いは何かを知った上で互いに何ができるかを探し合いながら、それを音楽を通してやっていきたい」と話した。
永井さんは「三線を弾いたことも触ったこともない人は当然いる。要請があればそういった方たちにマンツーマンで教えたい。それは私が教えるという経験を積むことにもつながる」と述べた。
川満さんは「障がい者、健常者それぞれの立場で与える側、与えられる側の認識があると思う。それぞれの立場で互いに共生して生きていける社会、バリアのない社会が実現できれば」と語った。
4人のトークは手話通訳、UDトーク(音声認識で声を文字化)付きで行われた。宮古テレビアナウンサーの翁長瑠美さんが進行役を務めた。