地産地消が地域経済に効果/パネリストが事例紹介
地元食材利用、地域内循環など/市主催フォーラム
「地産地消フォーラム-食から見る地域経済-」(主催・市産業振興局)が15日、市未来創造センター多目的ホールで開催された。3人のパネリストが地産地消の取り組み事例などを紹介し、地域に与える効果を強調した。多くの市民が参加し、地産地消や経済循環について理解を深めた。
パネリストは県学校栄養士会長の宜保律子さん、前宮古地区農業士会長の久保弘美さん、狩俣自治会長の國仲義隆さんが務めた。
宜保さんは市内の学校給食での島内産食材の利用率が、今年向上したことを紹介した。長寿県復活のためには地域で採れた季節の野菜や旬の魚を食べることが大事だとして「子供たちの輝く未来のために学校、地域、家庭が連携して地産地消を推進することが必要と考えている」と訴えた。
久保さんは、オクラやタマネギの規格外品を給食センターに納品したことに加え、JA青壮年部平良支部でニンジン栽培に挑戦したことを説明。「大変だったが、仲間同士の絆が深まり、楽しくてやりがいがある平良支部になっている」と語った。
國仲さんは、その道のプロに任せるという意味の「餅屋システム」によって、外灯取り付け工事などで931万円の経済効果があったことを伝えた。「地域内でお金が回るようにしている。地産地消で生まれた効果はマイナスからプラスに変わった可能性がある」と述べた。
市は一括交付金を使い、地産地消による地域内経済循環システム構築事業を2022~26年の期間で実施。学校給食における地産食材利用率を、20年度の11%から期間中に25%まで引き上げることを目標としている。現在は経済波及効果等のアンケート調査を実施中。その関連イベントとしてフォーラムを実施した。