テロ制圧へ連携確認/平良港保安訓練
負傷者の救助、搬送も
16機関「万が一」想定し/保安対策協
平良港保安対策協議会(会長・照屋雅彦平良港湾事務所長)主催の平良港保安総合訓練が18日、平良港漲水地区クルーズ岸壁で行われた。国や県、市などの関係16機関から約80人が参加。平良港に入港する船舶にテロリストが乗船して人質を取り負傷者が発生したとの想定で、各機関が連携して情報伝達や避難誘導、不審者制圧、救急搬送などを訓練して万が一の事態に備えた。
訓練はテロ等による各種犯罪の発生を想定し、関係機関相互の緊密な連携、協力のもとに連絡・協調体制を確立することが目的。
訓練では平良港に入港予定の船に乗り込んだテロリストが乗組員を人質に取ったと想定。宮古島海上保安部の巡視船「とぐち」が人質を解放し投降するよう求めた後、同部の制圧部隊が船内に潜入。1人を船尾付近に追い詰め確保した。
もう1人が陸上に逃げたが通報を受けて臨場していた宮古島警察署の警察官が確保・連行。市消防本部の救急隊員が腹部を負傷した男性乗組員を救急車で搬送した。
開会式で照屋所長は「本訓練を通じ、日ごろから危機管理への意識を持ち続け、有事の際の対応力を維持し続けてほしい」と述べ、関係機関が相互の連携、協力体制を再確認するよう求めた。
平良港港湾管理者の座喜味一幸市長は「平良港が安心・安全に利用できることを国内外にアピールし、物流および国際クルーズの拠点港としてさらに発展していくことを期待する」と語った。
閉会式で、港湾危機管理担当官の仲宗根宗信宮古島署長は万が一テロが発生した場合は被害を最小限に食い止め、犯人を早期に制圧・検挙することが必要だと強調しながら、「各機関が任務をしっかりと認識し、相互に連携して円滑に対応できた」と講評した。