各地独特の方言楽しむ/話芸や研究内容披露
「方言大会」出場者らが登壇/みゃーくふつフェスタ
「美ら島おきなわ文化祭2022」の市独自事業「宮古の宝再発見みゃーくふつフェスタ」(主催・同文化祭市実行委員会)が20日、マティダ市民劇場で行われた。会場には多数の市民が駆け付け、琉球大学名誉教授で県しまくとぅば普及センター長の狩俣繁久さんの方言講座や各地区の方言によるさまざまなプログラムを通して「みゃーくふつ(宮古方言)」への理解を深めた。
プログラムは2部構成で実施。第1部では狩俣さんが研究してきた内容などを分かりやすく説明した。また、「みゃーく方言大会」に出場した大神島出身の伊佐照雄さんが「大神島の伝説と行事」をテーマで話した。伊良部島小中学校4年生の漢那諒君は祖父らと一緒に初めて行ったカツオの一本釣りの様子を方言でコミカルに発表した。
このほか、宮古高校2年生の仲間恒光さん、「さえこおばー」こと与那覇冴子さん、下地出身の渡真利朗男さんらがパフォーマンスを披露した。第2部は平良出身で「みゃーくふつ」で歌う下地イサムさんのコンサートが行われた。
宮古の方言を研究している狩俣さんは「世界が注目するみゃーくふつの魅力」と題し講話。その中で「宮古諸島の言語に学術的な研究をしたのはネフスキー。1922年から3回も宮古島で現地調査を行っている。宮古の方言は奈良時代以前の古い日本語の起源を研究する上で非常に重要なのではないかとみられている。なのでネフスキーは宮古島で方言などを学べば、日本の平安時代以前のことも分かるかもしれないと考えていたのかもしれない」などと主張した。
冒頭、同実行員会会長の座喜味一幸市長(代読・大城裕子教育長)は「地域の言語を次の世代につなげることは世界的な課題。このイベントがみゃーくふつをこれからつなげていくための一助となることを期待している」とあいさつした。
同イベントは宮古の宝としてみゃーくふつを島内外に広く発信し、みゃーくふつの持つ妙味や奥深さを味わい、次世代への継承にもつなげる機会とすることを目的に開催された。