堂安選手は伊良部島がルーツ/W杯サッカー
6月に来島、親戚と交流/祖父浦崎さん、孫の活躍に歓喜
サッカーワールドカップ(W杯)23日のドイツ戦で、反撃ののろしとなる1点目を決めた日本代表の堂安律選手(24)の祖父は伊良部長浜出身の浦崎一さん(79)=大阪市在住=だ。「律が同点ゴールを決めた時は何と言っていいか分からないくらいうれしかった」。試合後、伊良部の親戚や知人から「おめでとう」と祝福の電話が鳴りっぱなしだったという。堂安選手は今年6月に家族と来島し、親戚一同と三線を弾くなどして交流を深めた。
浦崎さんは高校卒業後に上京して就職。その後、兵庫県尼崎市に移り住んだ。結婚して二男一女を授かり、長女の息子が堂安選手だ。堂安選手は小学4年生の時に、兵庫県西宮市の強豪クラブ西宮SSに加入。FCバルセロナが好きで、土曜は早朝に放送されるスペインのリーグ戦を見てから、練習に参加していたという。
ジュニアユースからガンバ大阪に所属。18歳で海外に渡り、FCフローニンゲン(オランダ)に入団した。アルミニア・ビーレフェルト(ドイツ)などを経て、現在はドイツ・ブンデスリーガ・SCフライブルクに在籍している。
孫の活躍は自宅でテレビ観戦したという浦崎さんは、「次の試合にも出場できたら一生懸命頑張ってほしい。楽しみにしている」と語った。
堂安選手はドイツ戦の先発メンバーから外れたが、1点を追う後半途中からピッチに入った。
同点ゴールはその4分後。相手ゴールキーパーがはじいたボールを左足で振り抜いた。
大声援に包まれた試合後のインタビューでは「俺が決めるという気持ちで入ったし、俺しかいないという強い気持ちでピッチに入った。また一丸となって戦いたい。僕が日本サッカーを盛り上げるという気持ちでピッチに立っている。期待してほしい」と日本のファンに力強く呼び掛けた。
堂安選手の祖母・漢那道子さんと父親がきょうだいという久貝仁美さん=伊良部字伊良部=は、「ゴールの瞬間は大きな声で喜んだ。試合後は興奮してなかなか眠れなかった、たくさんの人から祝福の声をもらった。律は幸せ者だと思う」と話した。
今年6月には、家族で伊良部島に遊びに来て、親戚一同で楽しい時間を過ごしたという。久貝さんは「律は『次はワールドカップが夢だ』と言っていた。代表に選ばれた時は、親戚や周りのみんなで喜んだ」と笑顔だった。
久貝さんは大学生の頃、兵庫県尼崎市の道子さん宅に2年間居候した。堂安選手の母・美幸さんらとの親交も深く「仁美ねえねえ」と慕われたという。数日前には、美幸さんから「初戦に合わせて現地に出発する」と連絡が入り、「『気を付けて行ってきて。私の分も応援してきてね』と伝えた」という。
宮古サッカー協会の饒平名正会長は「最後まで諦めないという強い気持ちを持てば、良い結果が出るということを教えてもらった。宮古のサッカー少年たちにも大きな刺激と勇気を与えてくれた」と話した。