過去の記録から祭祀考察/日本映像民俗学の会宮古大会
池間島ユークイの映像鑑賞/本番を前に前夜祭開催
第44・45回日本映像民俗学の会沖縄・宮古大会「どこへ行く琉球の精神文化」(主催・同会、共催・狩俣自治会)が26日から始まる。これに先立ち、25日に前夜祭が狩俣集落センターで行われ、1974年に撮影された池間島のユークイの記録映像が上映された。イベントには多くの地域住民らが訪れ、宮古島の祭祀(さいし)について理解を深めた。
同会は78年に発足。映像を通して民俗学や人類学を志向している団体で、構成は映画やテレビ業界で映像制作に関わる人たちや学生などとなっている。毎年、全国各地で大会を開いているが、今年は沖縄の本土復帰50周年の節目に併せて宮古島での開催となった。
前夜祭で同会の北村皆雄代表が「50年前の沖縄ではいろいろな祭祀を見ることができた。今はなかなか見ることができない状況になってきている。今こそ、かつて記録した映像を見てもらい琉球文化がどういう位置付けにあるのか、今後どうするのかを皆さんと考えていく大会にしたい」とあいさつした。
池間島のユークイは85年に行われたのが最後となっており、97年には2人の司(ツカサ)で復活したが、上映された「沖縄祈りの島宮古池間島ユークイ」では池間島の5人の司による貴重な記録が映像で披露された。
26日は午前10時から「宮古島の祭祀」をテーマに3作品が上映され、午後1時からは沖縄久高島のイザイホーをテーマにした映画の上映とシンポジウムが行われる。27日は本土復帰前後の沖縄を題材にしたドキュメント映像などが予定されている。
同大会は宮古諸島を中心とした琉球列島の記録映像を広く公開し「琉球の精神文化」への理解を深めることに貢献することを目的に開催される。