キビ交付金据え置き決定
トン当たり1万6860円/資材高騰で補助上乗せも
政府・与党は11月30日、2023年産サトウキビの生産者交付金を3年連続据え置きの1㌧当たり1万6860円とすることを決めた。農林水産省が示した案を自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会が了承し、同省が同日決定した。生産資材高騰対策として22年度補正予算でハーベスター使用に伴う費用を1㌧当たり350円、雑草防除対策として同100円を補助することも決めた。
基準糖度帯に変更はない。砂糖の国際価格に左右される原料代は12月末に決まる見込み。砂糖価格の上昇で交付金減額の可能性もあったが据え置いた。
ハーベスター委託費では、受託組織が雇用する人材の人件費の2分の1を支援。10㌃当たり2000円、トン換算で350円相当になる。
生産振興対策では、土づくりや優良品種への転換、病害虫や防除の難しい雑草への予防的な取り組みなどを支援するため22年度で21億円を措置する。自然災害からの生産回復を支援する「さとうきび増産基金(セーフティネット)」は引き続き予算を確保し、また予防的対策(かん水等)を実施した時期までさかのぼって発動する。
玉城デニー知事は1日、「今回の交付金単価の決定に際して、砂糖の調整金収支が厳しい状況にある中、農家が再生産に取り組める所得を確保できるよう、政府に配慮していただいた。農林水産省をはじめ、関係国会議員等の尽力に対し深く感謝したい。県としては、サトウキビの生産性向上および製糖企業の経営安定を図るため、国の関係機関と連携しながら、地域一体となって、生産振興に取り組んでいきたい」などとするコメントを発表した。