宮古製糖 伊良部工場が操業開始/22─23年産キビ
6万1000㌧の搬入見込む/初日13・57度で基準帯クリア
宮古製糖伊良部工場で8日、2022─23年産サトウキビの製糖操業が地区内トップを切って始まった。今期の原料搬入量は前期より4000㌧少ない6万1312㌧を見込んでいる。初日の平均糖度は13・57度で基準糖度帯をクリアした。今後の冷え込みでさらに上昇が期待される。操業開始式があり、渡久山和男社長や関係者が期間中の安全操業を祈願した。
城辺工場は9日、多良間工場は20日、沖縄製糖は15日に操業開始する。前期に引き続き今期も地区内4工場とも年内操業となる。
伊良部工場の初日の原料搬入量は141㌧。平均糖度は13・57度、最高は16・2度、最低は12・1度。原料は基準糖度帯(13・1~14・3度)が68㌧と全体の48・16%だった。基準帯以上は16・45%の23㌧、基準帯以下は35・39%の49㌧だった。操業終了は来年4月上旬を予定している。
渡久山社長は「伊良部工場では今期の生産量を6万1312㌧と予想し、4月上旬に終了できればと計画している。台風11、12号の影響があったが、生育は十分に回復している。昨期より糖度が1度ほど低い状況だが、天候次第で上昇する。サトウキビの経済効果は約4・3倍といわれ、操業に入ると地域の経済も回ってくる。県や市の支援でハーベスター導入、機械化が促進されている。かん水事業も進み、増産体制はできつつある。機械化の影響で多量生産農家が増えている。期間中、無事故で安全操業に努めていきたい」と話した。
伊川秀樹副市長は「今期のサトウキビは生育期期に干ばつ、台風襲来に見舞われた。昨期、伊良部工場では長雨で200日を超える操業だったため、株出し栽培への影響が懸念されている。機械化が進み、伊良部でも機械刈りが88%となっている。関係者が連携し生産振興に努めることが重要。市としても、農業基盤整備や有機質肥料への転換などにしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。県宮古農林水産振興センターの砂川喜信所長もあいさつした。