有事の住民避難で図上訓練/自衛隊が来年3月実施へ
必要な輸送能力など把握/市議会で市当局説明
自衛隊は南西諸島などでの有事に備えた図上訓練を来年3月に実施する予定となっていて、訓練に向け現在、関係機関で住民の県外避難に必要な航空機や船舶の輸送能力の把握、現実的に運航可能な方法の検討が行われていることが分かった。開会中の市議会12月定例会一般質問で14日、與那覇勝重総務部長が前里光健氏の質問に答えたもので、市の役割としては避難施設から空港や港への輸送手段の確保や避難施設の運営になるとの考えを示した。
来年3月に実施予定の自衛隊の図上訓練については、市議会9月定例会の中で市当局が答弁していたもの。前里氏はその答弁を踏まえ訓練の内容を質問した。
與那覇部長は同訓練について、現在、国民保護を所管する内閣官房をはじめ消防庁、先島諸島を含む市町村、沖縄総合事務局、県警、自衛隊、第11管区海上保安本部などの関係機関と実施に向けて意見交換を重ねていると説明した。
その上で「住民の島外避難に必要な航空機や船舶の輸送能力や運航(運行)時間を空港管理事務所や船会社に提出してもらい、通常時と非常時における運行プランに基づき、住民をどのように誘導するのか、輸送先の想定、受け入れ可能かどうか、搭乗させるための人員の確保、搭乗までの手続きの確保など、それぞれの機関が与えられた役割を確認し、現実的に運航可能な方法を検討しながら今、取り組んでいる」と語った。
避難者の受け入れ先としては県外が想定されていることを説明し、図上訓練における市の役割としては「避難施設から空港、港への輸送手段の確保や待機場所、避難施設の運営となる」との認識を示した。
有事の避難施設としてシェルター設置の可能性について前里氏がただしたのに対しては座喜味一幸市長が「南西諸島におけるシェルターの問題は今後、大変重要な課題になると思っている。特に沖縄県内は地下構造物が乏しいと認識している。宮古においては公共施設の地下構造物にシェルター機能を持たしていくという整備の在り方が大変重要ではないかと思っている」との考えを述べた。