過去の台風に学び対策を/防災講演会
「14号」襲来、来年で20年/サラ、コラ、デラと比較
2022年度宮古地方防災講演会(共催・宮古島地方気象台、市、村など)が17日、市未来創造センター多目的ホールで開かれた。同気象台の林和彦台長と市総合博物館の湯屋秀捷さんが講演。林台長は03年の台風14号の被害状況などを説明し、「過去の経験に学び、常日頃から台風対策を講じることが大事。台風は必ずやってくるので備える必要がある」と事前の準備の大切さを強調した。
林台長の演題は「台風マエミーから20年」。03年9月の台風14号(マエミー)から来年で20年であることを紹介し、過去に宮古島を襲った猛烈な台風(サラ、コラ、デラ)と比較しながら解説した。
14号は二重の壁雲があったため、吹き返しの暴風が2度起こったという。最低気圧は912で宮古島歴代2位、最大瞬間風速は74・1㍍で同3位だった。
甚大な被害となった理由については「住宅は強固になったが雨戸のない家が増え、ガラス破損に起因する被害が多かった。デラ台風以降35年間は大きな台風がなかった。台風慣れや安心感があり、対策が取られていなかった」と指摘した。
教訓として▽戸や窓に雨戸を設置する▽台風に関する予備知識を持つ▽気象台からの台風情報を利用する▽自分の身は自分で守る-を挙げた。
また、林台長は「デイゴがきれいに咲くと強い台風が襲来する」という言い伝えについて「台風は上空の風に吹かれてやってくるので根拠はない。当たるのはただの偶然だろう」と否定した。
湯屋さんは「災害の記録と記憶」を演題に講話した。歴史資料の中に記されている災害の記録を説明。「過去のものだけでなく、今現在の記憶や経験も後世に残していく必要があるだろう」と語った。
会場には市民ら約60人が来場し、講演に聞き入っていた。