タクシー運賃改定を申請/まるちく
認可されれば来夏にも値上げ
まるちく(下地隆之代表)は26日、沖縄総合事務局にタクシー運賃改定の申請を14日に行ったと発表した。運賃改定手続きは運賃適用地区ごとに行われ、受付期間中に申請があった宮古、石垣などの法人事業者の全体車両(506台、43事業者)の合計が7割以上となった場合には、3カ月の期間到来を待たずに運賃改定の審査が始まる。認可されると、早ければ来夏にも値上げが実施される。
新型コロナ禍の影響による経営基盤の立て直しなどが主な理由。
同社代表で、宮古タクシー事業協同組合代表理事の下地さんは会見で「自社だけでなく離島のタクシー業界の将来を考え、組合の代表として声を上げた」と話した。複数の事業者が申請に向け準備を進めているという。
申請の内容は、普通車の初乗り料金をこれまでの470円(1・167㌔㍍)から550円(1・139㌔㍍)に、加算料金は60円(336㍍)から70円(334㍍)にそれぞれ値上げする。改定率17・91%。時速10㌔以下の時にも時間に応じて料金が加算される「時間距離併用制」の導入も併せて申請した。
下地さんは、「アフターコロナに向けて世の中は動き始めている。宮古ではタクシー乗務員の不足で観光客はもとより、地元の交通弱者といわれる人たちの移動が困難になっている」と指摘。「コロナの影響やロシアのウクライナ侵攻による物価高騰により燃料、修繕費などが値上がりし、会社を維持するには大変な状況になっている」と現状を説明した。
その上で「乗務員の待遇改善、地域住民や観光客の足の確保のためにも、料金改定をお願いしたい」と理解を求めた。
沖縄総合事務局によると、離島地区における実質的な運賃改定申請は、消費税上昇に伴う値上げを除けば、2015年以来7年ぶり。