「美ら島レスキュー」 災害対処能力の向上図る/県、陸自共催
大地震想定し訓練実施/関係機関から160人参加
県と陸上自衛隊第15旅団の共催による地震想定訓練「美ら島レスキュー2022」が12日、宮古島で初めて実施された。琉球海溝型の大地震を想定し、市役所や久松漁港、伊良部島などで図上および実働訓練を行った。関係機関から計約160人が参加し、連携強化と災害対処能力の向上を図った。
訓練は、12日午前10時にマグニチュード9・0の大地震が沖縄近海で発生し、宮古島地方は震度6弱の揺れを観測し、大津波警報が発令されたことを想定して行われた。陸上自衛隊宮古警備隊、県宮古事務所、宮古島海上保安部、宮古島警察署、市役所、市消防本部の職員らが参加した。
実動訓練は、即時救助活動として久松漁港と川満漁港でドローンによる漂流者の捜索や、ボートによる救助の訓練を実施した。宮古警備隊と警察が合同で漂流者を救助して、久松漁港で車両に搬送を引き継ぐ一連の流れを確認していた。
久松漁港では応急復旧訓練として、野外炊事や野外入浴支援なども行われ、市民らが見学に訪れていた。
平良港と長山港、伊良部カントリーパークでは、海保の巡視船による孤立地域への物資や人員の輸送のほか、給水活動、倒壊家屋や車両からの救助活動の訓練を行った。
宮古警備隊の伊與田雅一隊長は「関係機関が活発に共同して訓練することが重要。訓練を通して関係機関が危機意識を感じてもらえたと思うので成果は十分にあった。今後も練度を向上させ、市民の期待に応えられる陸上自衛隊でありたい」と総括した。
同訓練は、県内で想定される地震や津波に対応するため、2012年度から16年度までは自衛隊主催で、17年度からは県との共催で行われている。