3期連続で過去最高額/23年度の県当初予算案
コロナ対策と経済再生など柱
【那覇支社】玉城デニー知事は6日、県庁で会見し、8614億円を計上した2023年度の県当初予算案を発表した。3期連続での過去最高額で、22年度に続いて8000億円を超えた。新型コロナ対策と県経済の再生などを柱に、県感染症研究センターを設置するほか、大規模な商業施設など国の電気料金支援の対象に含まれない事業者への補助を行う。子どもの貧困対策なども引き続き実施する。
23年度予算で、県は▽県民の命と暮らしを守る感染症対策と県経済の再生▽恒久平和の願いと希望の未来の発信▽沖縄の未来への投資と支援▽安全・安心に暮らせる沖縄へ▽沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化の継承・発展▽強くしなやかな自立型経済の構築―を掲げた。
感染症対策では、国立感染症研究所と連携して疫学専門家を継続的に育成する県感染症研究センターを設置する費用として、新たに5300万円を計上した。大規模な商業施設や製造業など電気料金で特別高圧受電契約を結んでいる事業者に対する支援としては、新規事業で11億3660万円を盛り込んだ。
また、子どもの貧困に取り組む「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」には、前年度比18・7%増の3億6840万円、「子どもの貧困対策市町村支援事業」には前年度と同じ3億円を確保した。「ヤングケアラー等寄り添い支援事業」には、同2・74倍の9611万円を計上した。
県の当初予算は、22年度に初めて8000億円を突破している。沖縄振興予算が伸びない中で同年度の県予算が増えたのは、県税の増加やコロナ対策による国の支援(国庫支出金)の増が理由で、23年度は国庫支出金などが減少したものの、その他の伸びが上回った。