「にぎわいの拠点期待」/平良庁舎利活用で市長
検討委が計画案を報告
旧市役所平良庁舎の利活用に向けた協議を重ねてきた検討委員会(平良和枝委員長)の関係者が9日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、これまでの検討内容と、まとまった計画案について報告した。座喜味市長は「難渋な協議をまとめてくれてありがたい。新たなにぎわいの拠点になることを期待している」と話した。
同施設の利活用計画では、売却ではなく賃貸とし、その所有権は市が有したまま、民間資金を活用して運用する方針となった。
今後、必要な手続きを経て、事業開始時期については、2024年度を見込んでいる。
報告書を手渡した平良委員長は「協議を通して、多くの市民がこの庁舎を自分たちの財産として身近に感じていることを感じた。また、委員の熱い思いも伝わったので、そのエネルギーをこれからの活力として生かして、新しいにぎわいの拠点にしてほしい」と呼び掛けた。
中尾忠筰副委員長も「この場所はこれからも市の中心となる場所であり、いろいろな商売も行われると思うが、地域には既存の店舗もある。この施設と地域が共存共栄を図っていくことも必要との意見もあった」と報告した。
座喜味市長は「私の公約の中にも公共施設の有効活用があったので、立派な計画にしてくれてありがたい。売却ではなく、有効活用すべきとの結論を歓迎している」と報告内容を評価した。
さらに「今後、クルーズ船が再び以前のように就航すれば、観光客が訪れる拠点としても利用され、1人当たりの消費額も現状の1万3000円からさらに増えると思う」と話した。
利活用の方針としては、「市民と観光客との交流拠点」を掲げ▽観光案内施設の導入▽市民活動の場(芸能・趣味・舞台発表など)▽公共的機能(商工会議所や観光協会、福祉団体)を備えた集客施設▽企業支援のための貸しオフィス、ベンチャー機能の創出-となっている。
また、入居店舗については性風俗業、接待飲食業、パチスロ等の遊技場は不可としている。
旧平良庁舎については、市役所機能を有していた21年度では1670万円の維持管理費が掛かっており、現在でも年間の維持管理費として800~900万円を負担しているという。
今後のスケジュールについては、市議会6月定例会に実施方針条例の制定へ向けた議案を提案。7月に実施方針の策定と公表を行い、8月に特定事業として選定する。
その後、9月に民間事業者を公募し、選定委員会、認定委員会で事業者の選定と認定を経て24年4月以降に事業開始とその届け出を見込んでいる。